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『ブランカとギター弾き』社会問題を扱いながらも観やすい良質映画

今日は、 社会問題を扱いながらも観やすい良質映画を観たい時におススメの映画『ブランカとギター弾き』からのセリフをご紹介します。

 

まずは⇩作品紹介⇩から。

 

【映画紹介】

邦題: ブランカとギター弾き
原題: Blanka
監督: 長谷井宏紀
出演: サイデル・ガブテロ、ピーター・ミラリ、ジョマル・ビスヨ、レイモンド・カマチョ
あらすじ:
二人でいれば、悲しみは半分。しあわせはたくさん。夏の果ての街角を、愛の歌が通り抜けていく--。フィリピン、真夏のマニラ。“お母さんをお金で買う”ことを思いついた孤児の少女ブランカは、ある日、盲目のギター弾きピーターと出会う。ブランカはピーターから、得意な歌でお金を稼ぐことを教わり、二人はレストランで歌う仕事を得る。ブランカの計画は順調に運ぶように見えたが、一方で、彼女の身には思いもよらぬ危険が迫っていた…。
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【気になるセリフ】

 盲目のギター弾きであるピーターが、テレビから流れる戦争のニュースを聞き、口にする言葉。 

〖日本語字幕〗
目の見えない人間ばかりなら 戦争は起こらない
見えるものに こだわりすぎだな

目が見えない状況は私には想像し難いですが、確かに、目の見える人たちは見えるものにこだわりすぎているのかもしれませんね。

かと言って、盲目の人たちだって喜怒哀楽の感情は同じだと思うので、(起こるとしたら、もちろん今のような形ではないとは思いますが)戦争が起こらないかどうかは議論の余地があるかもな~と思ってしまいました。

 

主人公のブランカが、目の見えないピーターに夢は見るのかと質問をして、彼から、聞いたものや触ったものが夢になると聞かされた時に、ピーターの手を自分の顔に持ってきたブランカの言葉。

〖日本語字幕〗

これが私の顔 
これで私も夢に出られるね

とても可愛くて心温まるシーンでした。

 

お母さんを買おうとしているブランカに気付いたピーターが、買えるものと買えないものがあると言ったことに対するブランカの言葉。

〖日本語字幕〗

子どもを買う大人はいるのに
子どもが大人を買っちゃいけないの? 

フィリピンという土地柄においては、より現実味のあるこの言葉は、かなりドキッとさせられてしまいますね。。。

 

ストリートチルドレンとしてたくましく生きる子どもと、盲目の老年男性という社会的弱者同士の絆を描く作品で、世界的に見てかなり恵まれている日本に住む者からすると、とても衝撃的で考えさせられる内容となっていました。

世界にはそういう過酷な状況があると知ってはいても、日常に追われてしまい、なかなかそれについて考える機会はないと思うので、本作を観て色々考えてみるのもいいかもしれませんね。

かと言って、この作品の中核をなすテーマは“愛”であり、そういう辛い状況を押し付けてくるだけの映画ではないため、とても観やすく仕上がっている良作だと思います。

 

ということで、エンドクレジットで出て来た一文もどうぞ。

〖日本語字幕〗

”家 それは誰かが あなたを 待っていてくれる場所” バウミ

 

〖英語〗

"Home is where someone is waiting for you." - BAUMI

※調べてみたところ、バウミ(カール・バウハウトナー)さんは、監督がセルビアの村で出会ったというプロデューサーの方で、一緒に映画を作ろうとしていた方だったようですが、途中他界してしまったということです。くわしくはこちらで。 

 

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