気になるセリフ

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『パターソン』こんな大変な時にこそ観て、美しい日常を感じて欲しいジム・ジャームッシュ監督作品!!(英語セリフ付き)

コロナで荒みがちなこういう時にこそ、本作を観て、美しい日常を感じて欲しい、ジム・ジャームッシュ監督作品『パターソン』からのセリフをご紹介します!

 

まずは⇩作品紹介⇩から。

 

【作品紹介】

邦題: パターソン
原題: Paterson
監督&脚本: ジム・ジャームッシュ
出演: アダム・ドライヴァー、ゴルシフテ・ファラハニ、バリー・シャバカ・ヘンリー、クリフ・スミス、チェイセン・ハーモン、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、永瀬正敏
あらすじ: 

ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)。彼の1日は朝、隣に眠る妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをして始まる。いつものように仕事に向かい、乗務をこなす中で、心に浮かぶ詩を秘密のノートに書きとめていく。帰宅して妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。そんな一見代わり映えのしない毎日。パターソンの日々を、ユニークな人々との交流と、思いがけない出会いと共に描く、ユーモアと優しさに溢れた7日間の物語。(Amazon Prime Videoより)
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【気になるセリフ】

主人公のパターソンがペットのネリーを散歩させていると、やんちゃそうな青年たちの車が近づいて来て、その犬は高いんだろ?と尋ねる1人の青年が続けて言った言葉。

〖日本語字幕〗
そのワン公 乗っ取られるぜ
気をつけな
“ワンジャック”だ
分かるか?
 
〖英語〗
Nah, I feel you though, but man, dogs like that get jacked.
Y'know what I mean?
Like dog-jacked, my G.
You feel me?

 “ワンジャック(dogjack/dog-jacked)”は初めて聞きましたが、“ドッグジャック/犬ジャック”と“ワンジャック”だと、“ワンジャック”の方が可愛らしいですよね(笑)

この優しい映画の雰囲気に合わせてそうされたんでしょうね!

ちなみに、“犬を誘拐する”で"dognap"は、実際によく使われていますね。

あと、“my G”とは何ぞや?と思い、調べてみると、“G”は、Gangsta/Gangsterの略で、この場合は“my friend”の意味で使われているようです!

上記の"feel you/feel me“の“feel(分かる、シンパシーを感じる)"も“G”と同じくスラングですが、やんちゃな青年たちが話す英語は、発音も含めて、我々教科書で英語を学んできた日本人からするとかなり難しいですよね!

 

パターソンが、ある出来事のせいで何とも言えない気持ちになっている時に偶然出会った日本人男性(永瀬正敏氏)と言葉を交わし、その日本語で詩を書く男性がなぜ他言語への翻訳をしないのかを語った理由。

〖日本語字幕〗

詩の翻訳はレインコートを着て

シャワーを浴びるようなもの

 

〖英語〗
Poetry in translation is like taking a shower with (a) raincoat on.

何だかとてもオシャレですよね!

「さすがジャームッシュ監督っ!」と思わせられるセリフだと思います。

でも、他言語の詩は、少しばかりその言語が分かるにしろ、訳をするのはかなり難しいと思うので、できれば初めは音だけで楽しんで、その後にちゃんと訳された内容も知りたいと思うのは求めすぎでしょうか?!(笑)

※グレー表示は、下記も含め、実際は発音していないように聞こえますが、文法上正しいと思われる表記をしたものです。

 

その日本人男性(永瀬正敏氏)がパターソンにノートをプレゼントし、かけた言葉。

〖日本語字幕〗

白紙のページに広がる

可能性もある

 

〖英語〗

Sometime(s,) (an) empty page presents most possibilities.

彼は、自分は詩人ではないと発言するパターソンに綺麗なノートを渡し、上記の発言をするのですが、パターソンの身に起こった出来事や彼の気持ちを見透かしているかのようで、しかもなぜか禅の雰囲気をも感じさせる不思議な人物でした。

ジャームッシュ監督のような名匠の作品の鍵となるシーンで堂々と演じられた永瀬さんも、とても素晴らしかったです!

 

私の映画を観る時のいつもの癖で、この作品でも、色んなシーンで「これはフリかな?」と勘繰ってしまい、そのフリが回収されるのを待ちながら観ていたのですが、途中から、これはそういう映画じゃないなと理解して観た作品でした。

もちろん、全く何も起こらないわけではないのですが、心穏やかに観られる、本当に美しくて優しーい映画でした!

まず、主人公のパターソン(アダム・ドライバー)が、非常に美しい奥さんローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)のことが大好きで、ローラもパターソンを心から愛しており、同じくローラから寵愛を受ける愛犬のマーヴィン(ネリーちゃん)とパターソンが若干ライバル的な関係という間柄が面白かったり、上記の永瀬さんの役や、バーのマスター、バーの常連で恋のもつれを演じるカップル、詩を書く少女など出て来るキャラクター全てが印象的なんです。

そして、パターソンの詩も、少女の書いた詩もとても美しく、是非皆さんにも堪能してもらいたいです!

 

あと、マーヴィンを演じたネリーちゃん(♀)の演技が本当に素晴らしかったのですが、エンドクレジットに出て来た追悼の文字を見て調べたところ、どうやら撮影中に癌が発覚し、亡くなってしまったようです。

本作をご覧になられた方は納得されると思いますが、彼女はカンヌ映画祭でパルムドッグ賞を受賞した程の演技の腕前だったので、余計に残念で仕方がないですね。。。

特に、ポストのシーンが秀逸でした!!(笑)

 

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